無方

5. 袋小路

山川は残りのビールをぐっとあおりながら、「何があったんだろう、今となっては真実も分からずじまいか。」と、少し赤らんだ顔でつぶやいた。山川は仙台に戻ってから渓流釣りに明け暮れ、悠々自適の生活を送っていた。洋一の一周忌があり、平直行を始めとして...
無方

4. タコ

停学事件を遡ること1年前、山川と湯本、直ヤン、純は高校の入学式の日に出会ったのだった。4人とも同じクラスだ。山川幸男と湯本嘉之は苗字で、平直行と立花純は下の名前でそれぞれ、“直ヤン”、“純”と呼ばれていた。その彼らが通った高校は、現在では男...
無方

3. 小僧

木村洋一は残りの日本酒をグッと飲み干した。当時はまだコンビニなどは無かった。自宅の近所にある酒屋の前に、日本酒やビールを売っている自販機が設置されていた。そこから買ってきたワンカップをひとビン空けたところだった。その直後、階段を誰かが足音を...
無方

2. 文化横丁

加藤絹江は親友の森川希美とカウンターで杯を傾けていた。仙台の文化横丁にある、カウンターだけの、こぢんまりとした店だった。文化横丁は大正時代に出来た活動映画館を中心に賑わってきた商店街だ。今となっては当時の華々しさもも廃れてしまい、周囲の高い...
☆各物語 1話目

1. 無方

上も下も、左も右もなく、浮いているわけでもなく、漂っているのでもなく、ただあるような感覚だ。何もかもが渾沌としていて、それは全体と自分の区別さえつかないような、更にいえば、感覚といった言葉でも表せない在り様だった。「ここはどこなのだろう」洋...

8-2.つながる

今ここにある状態こそが無為自然である、そのような気づきに巡り合い、そうあろうとすれば、一瞬にして自我は解けます。「私」が解け、ありのままの「無我」を体感することができるでしょう。無我であれば、そこには私を脅迫する観念も、私を苦しめる感情もありません。ただ自然に繋がった状態に戻るだけです。自然に戻るだけでいいのです。

8-1.ほどける

「無為自然」という生き方があります。無為とは一切の作為がない、つまり私などの介入する隙など全く無い状態を指します。そして、自然とは、自ら然り(おのずからしかり)という言葉通り、神羅万象あるがままの様子を表しています。

7-4.マイルール

自我がへばり付き、感情や観念に押し流されないようにするためにはマイルールを持つことが大切です。ともすると、人は脳の習性に押し流され、自我が簡単に復活してしまいます。それを事後に観察するだけではなく、自己を律するルールを持つことで「私」を抑止します。

7-3.動的な制御

外部からの強い感情刺激を能動的に断ち切ることで、一気にカルマを消滅させることが可能となります。なぜなら、強い意志を持って沸き上がる怒りや慢心を抑止することで、脳の神経回路に太い道筋を刻み込むことが出来るからです。

7-2.無為自然

へばりついていた自我を意識できるようになれば私が徐々に体から離れていきます。無我という心境へと近づくことが出来るでしょう。そのとき私を俯瞰しているのは自然そのものです。覆いかぶさった「私」が解けた後に現れる、本来の自然な意識こそが、自我がから解脱した無為であり自然本来の姿なのです。