無方 2. 文化横丁 加藤絹江は親友の森川希美とカウンターで杯を傾けていた。仙台の文化横丁にある、カウンターだけの、こぢんまりとした店だった。文化横丁は大正時代に出来た活動映画館を中心に賑わってきた商店街だ。今となっては当時の華々しさもも廃れてしまい、周囲の高い... 2024.09.08 無方
☆各物語 1話目 1. 無方 上も下も、左も右もなく、浮いているわけでもなく、漂っているのでもなく、ただあるような感覚だ。何もかもが渾沌としていて、それは全体と自分の区別さえつかないような、更にいえば、感覚といった言葉でも表せない在り様だった。「ここはどこなのだろう」洋... 2024.09.08 ☆各物語 1話目無方